第11章 組織
梓さんから頼まれたポスターも本庁についてさっと作り上げて、安室さんに送った。
「さっきデザイン確認した。朝作ったのか…?」
「はい。昨日中に作ると言ったのに遅れました、すみません。」
「いや…。どっちにしろ僕も朝しか確認も何もできないから。」
携帯の画面をじっと見つめながら、安室さんみたいに優しく笑った。
「いいデザインだ。」
「…はい。」
ポアロの案件だからだろうか、少し安室さんみたいでびっくりした。
デザインはフォトコンテストの爽やかな感じを出したくて水色を基調に過去の作品や商店街の梓さんが撮ったきてくれた写真を使ったものした。
「あとで梓さんに送っておくよ。」
「よろしくお願いします。あと、先日降谷さんに頼まれた書類ですが……。」
今朝、降谷さんの部屋でいっしょに過ごしたなんて全然感じられない会話だ。
淡々と仕事の会話をして、私は自分の席に戻り、パソコンのメールをチェックした。
「ただいま戻りましたー。」
「お疲れ様。」
よれよれで少し髭の生えた高橋が席にどさっと腰掛けた。
「くさ。シャワー浴びてきてよ。」
「お前なぁ…3日ろくに寝ずに張り込んでたんだぞ。」
「うん、お疲れ様。」
「昨日は差し入れ助かった。」
「夏目。」
「はい。」
「ここの事だが…。」
先程渡した資料を眺めながら降谷さんに呼ばれたので私は立ち上がり降谷さんの横に立った。
「それでしたら、えっとーー…一年半前の事件の資料のほうがわかりやすいかもしれません。あとで持ってきます。」
「頼んだ。」
言われたことはとりあえず先にやろう。降谷さんは本庁にいられる時間が限られているからと、私はすぐに資料室に向かった。
資料室はひんやりとしていて私はここの匂いが好きだった。
「めぐみもいたのか。」
「髙橋。」
シャワーを浴びてすっきりとした高橋が資料室に入ってきた。