第2章 初めまして
私は風見さんの後ろをついていきながら、頭の中で風見さんの言葉を繰り返した。
ーー…ゼロの下。
「道は覚えたか?」
「えっ!?全然っ!すみません!何階かも見てませんでした!」
「…何階というか…地下だ。今度高橋にでも教えてもらうように。」
「高橋ぃ!?」
あいつもゼロの部下だったのか!
…ずるい!
「同期だろう。」
「はい!彼もゼロと一緒に働いていたとは思いもしませんでした!」
「だろうな。」
…だろうな?
「じゃないとあんな資料ゼロに送りつけたりしない。」
「…?あんな…とは。」
「高橋に渡しただろう。」
『公安ならこのくらい自分で作れバーカ』
ガタガタと手が震えた。
「…あ、あれはっ!えっ!?高橋がだれにも見せないって…!」
「あぁ、我々の班以外には誰にも見せることはない。」
物はいいよう!!
「プロジェクターで暗い会議室であれが流れた時は肝が冷えた。」
「ひぃっ!す、すみませんっ!」
「いや。それ以上にあの資料には重宝した。高橋に聞いたら同期の女性捜査員が作った物だと聞いて、ゼロが君を引き抜きたいと。」
ほわーっと胸が熱くなった。
まさかこの能力を認められることになるとは。
私はぐっと拳を作り、奥歯に力を入れた。
「ぜひ、よろしくお願いしますっ!」
「あぁ。これからゼロにあってもらうことになる。」
「えっ!?会えるんですか!?」
「それが直属というものだ。これからのことは極秘事項だ。彼の容姿年齢性別、もちろん名前も消して外で話してはならない。」
ごくりと唾を飲んだ。
警察庁の公安のすごーく偉い人…絶対に会うことなんて一生ないと思っていた。なんなら噂だけで実在しないんじゃないかとさえ思ってたような人物に…これから。
国家公務員のお役所の方だ。
全国の公安を指揮する司令塔…。
すごく頭が良くて、40いや50くらいの男性だろうか。
頭がいいから頭はきっとデカいだろう。
こう言う人って意外と背が低いことが多い気もする。
私は想像を膨らませた。
ーー…良い人だといいな。
「夏目刑事。この部屋へ。今日から君は風見班だ。」
「はいっ!」
私は地下にある目の前の扉の前に立った。