第45章 二人の時間
ただひたすら黙々黙々黙々と仕事をした。
みんなへの帰還の挨拶もそこそこに、どんどんと渡される仕事のやま。
捜査資料をまとめ、色んな申請書を整理していく。
どうやら、辞めさせられた思っていたが、有給扱いになっていたようで意外とすんなり戻れたし、人事も何も知らないようだった。
ーー…私の有給なくなったけど。
九条のやつは(一応上司)、もう降谷さんには興味ないようで私のことも戻ってこようが辞めようが気にもしていないようだった。
あれだけのことをしておいて、自分が警察庁にいけるとなったら放置とは私としては腹が立つが、下手に蒸し返すより何もしないほうがいいだろう。
ムカムカとしながら、捜査資料をパソコンに打ち出していると私の好きな円錐型のカフェオーレが置かれた。
「お疲れ。」
「高橋…ありがと。」
甘いもの、ちょうど欲しかった。
すぐにストローを刺し、ちゅーーっと吸い上げると、高橋がUSBをひとつ机に置いた。
「悪いんだけど、これもまとめてくんない?」
「…今言った私のお礼返して。」
「めぐみの資料がいいんだって!マジで!」
「にしても多すぎない!?」
未だ山積みの仕事にさらに高橋の分までは無理に決まってる。
「あーあ、九条警視に近づいてお前の退職届盗むなんて犯罪…、やったんだけどなー。」
「くっ!」
私は高橋を睨みつけながら高橋の手からUSBを奪い取った。
「いつまで!」
「3日以内だと助かる。わりぃな!」
「夏目さん。あとでこの経費もまとめて貰えるかしら。」
「…え。」
机の向こうから手を出され渡されるレシートの束。
ローラさんだ。
「九条警視が警察庁にいくためのポストを用意するためにお店に潜入したの。その時の飲食代と衣装代よ。」
「あ、はい。やります。やらせてください。」
みんな自分の仕事を放り出して私のために動いてくれたのだ、ここは私が恩返ししないと…!
文句は言うまい!