第43章 どっち
「…めぐみ、貴方公安なのね?」
「母さん!?」
家族には公安だと言ったことはない。
母に言われ私は目を見開いた。
「“日本を守りたい”。さっきそう言っていたから。ただの警察官はあまりそういう表現はしないわ。市民を守りたいとかそういうのはよく聞くけれどね。」
「姉さんすげぇ!公安ってそう簡単にはなれないんだろ?」
「……。」
私は黙ってうつむいた。
「大丈夫、誰にも言わない。父さんにもね。武蔵、貴方もここだけの秘密にするのよ。めぐみが仕事できなくなっちゃうわ。」
「わ、わかった。」
「…ありがとう。」
「降谷さんはその上司なのね?」
「うん。…それも内緒ね?あと…如月さんのことについてはまた落ち着いてゆっくり話をさせてほしい。」
近所のことについてなんて、きっと両親の耳にもすぐに入るだろう。
だけど、今日全部を話すのは両親はきっとパンクしちゃう。
「むっちゃん。全部家のこと…ありがとう。」
「いいよ。早く行けよ、彼氏ずっと待ってるんだろ。」
「そうだったわ!降谷さん、かっこいい人ね!早く行ってあげなさい!」
「ありがとう。あと…むっちゃん。」
「なに。」
「その髪の毛やめた方がいいよ。」
「当分辞めない。」
降谷さんそっくりに変えた肌の色と髪の毛。
私はくすくす笑って立ち上がった。
「降谷さんの方が100倍かっこいいから真似ても無駄だよ!じゃあね!行ってきます!」
私は振袖を脱ぎ捨てるために自分の部屋に走った。
帰れる。
警察にーーー…
あの人の隣にーー…!