第39章 降谷零の部下たちは
「じゃあ我々はこのまま捜査を続けよう。」
「そうっすね。警視はめぐみの退職届をもってるんすよね?それを取り戻せるよう動いていきます。」
「あぁ。降谷さんは一週間で解決をと言っていた。」
「…やっぱりめぐみの退職届。」
「あぁ、まだ人事に渡っていない。正式に辞めてはいないんだろう。」
人事が用意するはずの正式な退職届がめぐみから出されなかったことに人事が不審がるかもしれない。
今は年休消化を名目にめぐみを休ませ、何かに乗じてさりげなく退職届を忍ばせるのだろう。
一月ほど残っていためぐみの年休があと一週間でなくなると言うことだ。
「その前に退職届を処分すればいいんだな。」
「任せたぞ高橋。」
「私はこのまま会員制スナックに潜入を続けるわ。」
夜だから一度帰って寝るわ。と、荷物をまとめるローラに高橋が首を傾げた。
「そういやローラは誰を誘惑しろって言われたんだ?」
「警察庁の人よ。」
「んー?」
なんで、警察庁の人間を?と顔を顰めているとローラがため息をついた。
「降谷さんをゼロから落として、九条って男は自分がのしあがりたいんでしょ?」
「あぁ。」
「じゃあ降谷さんがゼロを辞めないためにはどうしたらいいと思う?」
「九条を警察から辞めさせる?」
「それか、もっといいポストを用意する。」
「…まさか。」
「えぇ、今私が誘惑してネタを取ろうとしてる警察庁の人間は以前から黒い噂があった。そいつを辞めさせ、空いたポジションに九条を置けば…」
「こっちなんて眼中にないってことか。」
「そういうこと。じゃあ、私寝るわ。お疲れ様。」
荷物をまとめたローラは颯爽と執務室から出ていった。
「じゃあ、僕は今めぐみさんがどこで何してるか調べときますね。」
「あぁ、じゃあ頼む。影月。」
「携帯まで繋がらないのが気がかりなんですよね。携帯まで盗まれたとかじゃシャレになんないだけどな。」
ぶつぶつとぼやきながら影月はキーボードを指で叩いた。
それを後ろで見つめながら風見は先程のめぐみと降谷の写真を思い出した。
「ゼロ…降谷さんにとって必要であるなら、我々はどんなことだってしますよ。降谷さん。」