第39章 降谷零の部下たちは
降谷の部下である風見は最初こそ何の疑問も抱かず言われた通りの仕事をしていた。
日本を揺るがすほどのことと言われれば、気合を入れて取り組んでいた。
ただ少しずつ今やっていることに不信感まではいかないものの、何か感じるものがあるようだった。
「高橋。」
「なんすか?」
執務室に帰ってきた、高橋に風見は話しかけた。
「……どう思う。」
「あー、今回の降谷さんの件っすか?」
「うむ。」
「今回九条って警視を監視してたんすけど…。」
高橋からの報告書を受け取った風見はそれに目を通した。
「降谷さんと敵対する勢力って感じっすね。」
「…。」
「警視庁のこの30代の警部を偉く可愛がってるようで、ゼロである降谷さんをどかせて、その警部をゼロに置きたいみたいっすね。」
「そうか。」
それを聞いていた影月が、椅子をギィと動かし、風見のほうへと視線を向けた。
「これ。見てください。」
パソコン画面を指差す影月に、高橋と風見は後ろから覗き込んだ。
「…こ、これは。」
「マジ?え?合成じゃなく?」
風見と髙橋の反応に影月は頷いた。
「一応みたけど、本物。」
パソコンの画面に映っていたのは、資料室で見つめ合う降谷とめぐみを隠し撮りしたものだった。
「え?…え?これどう見ても。」
めぐみは降谷のシャツに手を添え、降谷は微笑みめぐみを見下ろし、どう見ても部下と上司という雰囲気ではない。
「どこで手に入れた。」
声の低くなった風見に影月は答えた。
「九条警視の携帯ですよ。」
「…。」
「その後めぐみさんと何度か通話した履歴と、メールを何通かやり取りしたのが残ってました。」
カチカチっとマウスを動かして、パソコン画面が切り替わった。
「九条警視と夏目が?」
風見は眉を寄せた。
「九条警視は携帯から消したようですが、僕の手にかかれば消したって復元可能ですからね。」
「さっすが影月。こえーこえー。」
頭を撫でる高橋の手を影月は振り払った。
「どうやら、めぐみさんは降谷さんのことで九条警視に脅され、警察を辞めさせられたようですね。恐らく退職届も九条警視が持ってると思われます。」