第38章 元上司 降谷零の作戦
何度めぐみの携帯に連絡をしても、一度も通じることがない。
解約はしていないようだが、電源も入っていないようだった。
…何か引き継ぎに不都合があった場合、めぐみに連絡を取る手段もない。
めぐみがそんな無責任なことをするとは思えない。
「降谷さん。すみません。今追ってる密輸事件の案件で、以前の資料を探しているのですが…」
「…。」
手を伸ばし用意された資料を風見から受け取ったが、めぐみほどの資料ではない。
「今日中に探してきます!」
「…あぁ。」
「めぐみに電話通じないんすか?」
あいつに聞けばどこに保存してるのかわかるはずと、高橋がスマホを取り出したが、風間は首を振った。
「夏目の電話には通じないんだ。」
「なんで辞めたんすかね。」
はぁっと全員が肩を落とす。
「そのことだが、やはりあの夏目が、僕に何も言わず辞めたのが気になるんだ。」
僕がそういうと、高橋も続けて言った。
「確かに降谷さんが海外行ってすぐでしたもんね。」
「あぁ。僕は何かあると思ってる。」
「しかし、彼女は自分で退職届を出したんですよね?」
ローラに言われ、僕と風見は顔を見合わせた。
「僕は受け取っていない。」
「自分は降谷さんに出したと思ってました。」
じゃあ、めぐみの退職届はどこだ。
…これは、僕より上の人間が関係している可能性が出てきたな。
「調べましょうか?」
影月に言われ僕は首を振った。
上の人間が動いているのなら、あまり大きく動かない方がいい。風見や影月たち僕の部下がめぐみの二の舞になるかもしれない。
「君たちは動くな。何事もなかったように仕事してればいい。」
ーー…ここからは僕が調べる。