第6章 素直に
降谷さんにはあの時、家まで送ろうかと言われたが、あの時間だったし断り、本庁で寝泊まりした。
少しゆっくり起きて午前中は風見班ではなく、普通に公安部の仕事をこなして行った。
「機嫌いいな。」
「わかるー?」
先輩に頼まれた仕事をこなしながら、高橋に声をかけられ後ろを振り向いた。
「昨日上司に初めて『お疲れ様』って言われて嬉しかったんだ。」
「…あの上司?言われたことねーの?」
「高橋は言われたことあるんだ…!」
「そりゃまぁ。あるだろ。でも『おつかれ』はあっても『お疲れ様』は無いかもな。」
「ほらほら!」
「かわんねーだろ。…つか、あの後会ったのか?」
高橋が横の席に座り、こそっと話しだした。
「明け方まで資料室篭ってて、その資料確認しに来たよ?」
合コンの約束したのは秘密だ。
「明け方って…あの人朝イチで喫茶店で開店準備してるぜ?」
「……。」
私は降谷さんの身体が心配になった。
寝てないのだろうか。
それなのに、送ろうとしてくれる優しさに私は胸がチクンとした。
「高橋っ!デートなんかしてないでもっとサポートしろ!」
「お前もだろ!」
ーーこれはっ!早急に降谷さんを癒す彼女が必要かもしれないっ!
私は今度の合コンで本気で降谷さんが落としたくなる女の子を呼ぼうと心に決めた。