第36章 上司 降谷零の力
書類の仕事を軽く片付けると、僕は一度家で休むことにした。
めぐみには何度か電話をかけたが電源を切られていた。
「解約はしていないようだな。」
帰宅をしようとしたが、車は自然とめぐみの家に向かっていた。
めぐみの家の鍵を手に玄関の前に立って、言葉を失った。
ドアノブには不動産屋特有のカギが付けられていた。
ーー…引っ越したのか。
僕が手を出せない海外にいる間に全てを終わらせたというのか。
「いい度胸じゃないか。」
俄然燃えてきた。
めぐみがその気なら必ず見つけ出して、連れ戻す。
「こんな思いさせるのはお前くらいだよ、めぐみ。覚悟しとけよ。」
手にある鍵をぐっと握りしめ、勝手に退職をし、携帯を切り、引っ越していっためぐみに言葉を投げかけた。