第35章 どうか
一日休みをもらった次の日、私はいつも通り朝から本庁に向かった。
執務室に入るとなんか空気が変だ。
風見さんは真剣な表情でパソコンに向かってるし、高橋はチラッとこちらに視線を向けただけで、携帯を操作している。
ローラさんはいないが、影くんは全てをシャットアウトするようにヘッドホンをつけていた。
いつもなら挨拶くらいするのに。
私は自分の席につき、横の高橋の腕をつついた。
「どーしたの?」
「…いや。なんか……。」
高橋はキョロキョロと何かを確認し始めた。
「降谷さんいないな。よし。」
「…?」
「なんか、降谷さんが機嫌が悪い…というより落ち込んでるというか、なんか変なんだよ。」
「怒ってるの?」
「いや、別に俺らにあたってきたりするわけじゃないけど…。なーーんか話しかけづらい雰囲気なんだよ。」
“なんか変”ばかり言う高橋。
「鬼気迫る感じに仕事に打ち込んでるような。」
「何かあったのかな…。」
「さぁ。なんか俺らも仕事しなきゃって思って今やってんだよ。」
高橋の話を聞いて、私は考えた。
昨日何かあったのだろうかーー…。
私は昨日、休みをもらったからわからないけど、潜入先での事とかで何か落ち込むことでも…?
「降谷さんは?」
「さぁ。本庁から出て行ってはないと思うけど。」
私は椅子に座り、朝のやるべきメールチェックなどをやっていき、あとでこっそり降谷さんに会いに行こうと思い、パソコンを開いた。
仕事の話を聞いてあげることはできないけれど、降谷さんが気になって仕方なかった。