第31章 お手伝い
上司と内緒のカンケイになって数ヶ月。
あまりにお互い忙しくて仕事場くらいでしか顔を合わせることはなかった。
降谷さんは元々警視庁にもあまり来ないし、来たところで自分の仕事をちょこちょこっとしてすぐ別の仕事にむかってしまっていた。
かく言う私も交代で張り込みをしたり、資料室に篭ったり、いつも通り忙しくしていた。
寂しくないと言えば嘘になるが、仕方ないと割り切っていた。
元々今までの彼氏に自分だって同じことをしてきた。
それが今自分に返ってきてるだけ…。
ーー…たまに顔を見れるだけでもよしとしなきゃ。
廊下を資料室に向かいながら私は降谷さんは今何してるんだろうかと思いを馳せた。
「ーー…さみしーぞ。」
ほとんど無意識だった。
2日前に高橋が担当していた事件が解決して、私も補助に回っていた。あれだけバタバタしていたのが今は嘘みたいに静かで、ついそんなことを口から洩らしてしまった。
「きゃっ…」
ふいに二の腕を掴まれ横に引き寄せられた。
「しっ。」
「降谷さん…!」
ここのフロアは降谷さんがいつもいる執務室の近くじゃなく普通に公安部のフロアだ。
こんなところにゼロがいていい場所じゃない。
ここは給湯室で扉もないし、誰がいつくるかもわからない場所。
「何してるんですか。」
声を抑え私は降谷さんを見上げた。
「久しぶりに来庁したのに、執務室にめぐみがいなかったからここかと思って。」
表向きは風見班として動いている私はほとんどは公安部にいて、降谷さんがいる時や、ゼロの指令がある時に降谷さんの執務室に赴いている。
「普通に仕事してますよ。そんなことよりここにいちゃ誰かに見られてなんて誤魔化すんですか?一応ゼロですよね?」
「…一応ってなんだ。大丈夫。誰かに見られるヘマはしないさ。」
そんな広くもない給湯室でコソコソと話をする。
ダメだと思っても、会えたことが嬉しい。
早くここからどこかに行きましょうと言わなきゃ…。
「…降谷さん。」
私は降谷さんの腰に手を回し胸元に頬を押し付けた。
「そろそろめぐみが寂しがるんじゃないかと思って。」
「…。」
降谷さんはお見通しだ。