第28章 ヒミツの関係
うちの家で数日過ごすと、降谷さんは早朝から抜糸のために病院に向かった。
はじめは病院まで送ると言ったのだが、もう平気だと準備をしてさっさと出て行った。
ーー…降谷さんとの生活もこれで最後か。
と、少し残念に思いつつもやっと完全復帰できることが嬉しかった。
家にいる時もずっと降谷さんはパソコンで仕事をしていたし、何か深刻な電話の時は私の寝室に閉じこもっていた。
完全といってもまだ激しく走り回ったりは無理だろうが、あの上司のことだきっと傷なんか無視して動き回るだろう。
私も荷物をもって警視庁に行く準備をした。
「ハロ、もうすぐバイバイだね。ご主人様の家で助けてあげてね。」
視線を合わせ、よしよしと頭を撫で家を後にした。
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「夏目。3日前の資料、もう一度過去の事件と照らし合わせたものを作り直してくれ。」
「はい。」
「それから、風見が担当していた案件の資料もまとめて後で持ってくるように。」
「はい。」
上司と恋人関係になったといっても、そんな急に仕事場で態度が変わるような人じゃない。
「めぐみ、悪いが資料を持ってきてくれないか?(にっこり)」
なんて言われても逆に私も周りも困惑する。
まぁ…少しくらい?
優しくしてくれもいいんじゃないかなーとは、思ったりするけれども。
「夏目。早くしろ。」
「はいっ!」
昨日までの家でのあまーい降谷さんどこっ!!
仕事には、以前と同じで厳しく鬼みたいな人で、さすが降谷さんらしいと思った。
バタバタと資料室に片付けに来ていると、扉のところに高橋がにやにやした顔でコーヒー片手に立っていた。