第27章 どっちが好き?
我が家に招き入れ、荷物は私の寝室にとりあえず置いた。
「シーツとか全部綺麗に洗ってお布団もふわふわに干しておきました。ご安心ください。」
「めぐみはどこで寝るんだ。」
「お布団はあるんで、大丈夫です。」
「…そうじゃなく。」
遠慮することはわかりきっていた。
私は有無を言わさず寝室を上司に押し付けた。
「リビングでハロが待ってますよ。」
「あぁ。」
話題を変え、私はリビングに向かった。
降谷さんもひょこひょこと後ろをついてリビングに入ってきた。
1週間たってもまだ傷口は痛むはずだ。
きゃん!
いつもはあまり吠えないハロでも、ご主人様である降谷さんを見た瞬間嬉しそうな声を上げた。
「ふふ、やっぱり降谷さんが一番みたいですね。」
「ハロ、いい子にしてたか?」
足元でぴょこぴょこ跳ねるハロは本当に嬉しそうで、私は微笑んだ。
「お昼は食べてないですよね?」
「あぁ。」
「すぐ作りますね。と、いっても降谷さんのために作り置きたくさんあるのですぐ出します。」
退院する、と連絡があったときから風見さんにはそうするよう指示されていたし、なるべく私も家で仕事ができるよう配慮してもらった。
降谷さんがいち早く仕事に復帰してもらうことが、彼らにとっても重要なのだろう。
「…なんか悪いな。」
「何をおっしゃいますか。今は気にせず、治すことに専念してくださいね。」
作り置きを温めているあいだ、ソファに座っている降谷さん。
その膝にはハロが頭をちょんっと載せている。
「…いいなぁ。」
ぽそっと呟くと、降谷さんが顔を上げ私を見たので、私は誤魔化すように電子レンジの中を覗き込んだ。
「めぐみ。」
「はい。」
「おいで。」
「……。」