第24章 裏で
「今会えますか?」
電話の向こうは影くんだった。
「もうすぐ今してることが終わるからそれからなら。」
「なるべく早い方が助かります。今どこか言えますか?」
「…いえない。」
降谷さんの家は誰までが知っているのか私は知らない。
そんなこと教えられるわけがない。
わんっ!
と、足元でハロちゃんが吠え、私は慌てて口元に指を当てた。
しーー。
「…犬?あ、降谷さんの飼ってる?」
「知ってたのね。そうだよ。今頼まれたご飯とかをあげにきたの。」
「僕は色々調べて知ってますからね。」
ーー…怖いやつ。
正直にそう思った。
まぁ、私も降谷さんのことを調べてくれって頼んだんだけど。
「じゃあ近くまで車で行きます。降谷さんが組織内に今いるので、そのうちに閲覧しましょう。」
詳しい場所と時間を言われ、私は電話を切った。
仕事が早い影くんに感心しながら、私はハロちゃんを急いで降谷さんの家に連れて帰ろうと、リードを握りしめたが、
ここから歩いて帰ってハロちゃんのご飯を用意するより、指定された場所に行く方が近い。
「ハロちゃん、ちょっと付き合ってね。」
私はハロちゃんを影くんのところまで連れていくことにした。
しばらく行った河川敷の橋の下に、一台の車。
そこにすでに影くんが来ていた。
私は確認すると走って彼の車に乗り込んだ。
「お待たせ。」
「いえ、ノートパソコンから閲覧できるようにしておきました。今降谷さんが潜入している組織についてと、来葉峠の出来事についてーー…。」
私はハロちゃんを後部座席で落ち着かせ、助手席でノートパソコンを膝に乗せた。
「…ありがとう。すぐ見るね。」
「はい。一度だけですぐ痕跡も消すので記憶してください。」
私は頷いて、資料を頭に叩き込んでいった。