第23章 上司 降谷零の勘違い
弟が実家から飛び出して私の家にいるということは、家にも仕事場にも黙っている。まぁ、両親はきっと気づいてて黙ってるんだろうけど。
父と喧嘩して家出してきたシスコン弟が私の部屋で引きこもってるなんて、恥ずかしくって言えない。
「じゃあ、私仕事いくけど、気分落ち着いたら家に帰るんだよ。帰りは遅くなると思う。」
「んー。」
相変わらず携帯をいじりながら私に手を振るむっちゃん。
本当は追い出してもいいのに、やっぱり私も弟には甘いなー。
朝から机に座り今度の捜査資料を作成していく。
今度のは連続爆破事件だ。
以前警察を狙った爆破事件が解決したばかりというのに、日本は物騒になったものだ。
すでに関東を中心に起きている三件の爆破事件の特性をまとめていると、ポアロへ行くのであろうカジュアルな格好をした降谷さんが入ってきた。
「お疲れ様です。」
「…。」
今日はお疲れなのだろうか、機嫌が悪いのだろうか、私の方を見ることも、返事をすることもなく自分の席に座り、仕事をし始めた。
「夏目。」
「はいっ。」
低い声。
やっぱり怒ってる。
何か資料か報告書でミスでもしただろうか。
それとも何か降谷さんに任された仕事でもあったかな。
怒られる原因があるか頭でぐるぐると考えながら私は降谷さんの席に向かった。
「この前の潜入でのFBIのことは報告は受けたが、店を出た後。僕に電話をかけてきた人物についてはまだだったな。」
FBIのことは誤魔化した。
潜入をするかもしれないがほっておけと降谷さんからも言われていたから、気づかなかったと。
だから、一緒に演奏をした沖矢さんのことは黙ったままだ。