第21章 欲情
自分の指に噛みついて、必死に耐えた。
「…。」
降谷さんは横で黙って車を走らせてくれた。
「…っ…う…ふぅー…」
「…血が出てる。」
「さっ…わらないで…くださっ」
血が出るほど自分の指に噛みついてるのはわかってるけど、そうでもしないと意識が飛んでしまいそうだった。
私は手首に触れてきた降谷さんの手を振り払った。
「…すみませ…ん」
「いや。悪い。めぐみのマンションに着いたぞ、歩けるか。」
「…はぃ。」
シートベルトを外し、ドアを開けるが、足が出ない。
震えてその場から動けなかった。
ーー…情けない。
悔しくて悔しくて泣きたくなってきた。
助手席のドアまで来てくれた降谷さんが、私の手を引いてくれた。
…温かい手。
ーーすがりたい。
私はまた首を振った。
薬のせいだ。
「…はぁ……」
「苦しそうだな。もうすぐドアだ、鍵出せるか。」
腰を支えられ、最後の力でここまで歩いてきたが、私はカバンに手を入れた瞬間また膝から崩れ落ちそうになった。
「おっと。」
「ひゃ…ゃ…」
降谷さんに抱き止められ、転ぶことはなかったが、もう立てそうになかった。
「はぁ…はぁ……ん…」
「…。」
降谷さんは私の手から鍵を取ると、開けて私を抱き上げた。
「…っ!」
触れられる場所全てが刺激になる。
私は降谷さんの首に手を回し、落ちないようしがみついた。
「布団に下ろすぞ。」
「…やっ…シャワーに…私をもう…」
「…。」
「シャワー…勝手にもう……するので…ふーー…んっ…」
膝裏の降谷さんの腕にすら、擦れて感じてしまう。
膝を必死に閉じて擦り合わせた。
「……めぐみ、つらそうだ。」
「…降谷…さんはもう…帰ってくだ…さい……ごめい…わくを…ふっ…」
「……。」
「…あ…つい…はぁ、はぁ…」
冷たいシャワーを頭からかかりたい。
身体の熱をどうにかしたい。