第18章 出会い
静かな執務室ーー…。
今日は私だけが仕事をしていた。
みんなどうやらそれぞれ出払っているようだった。
黙々と仕事をしていく。
静かな分集中して仕事ができた。
先輩に頼まれた過去の事件をまとめたり、公安部で使う捜査資料を作っていると、風見さんから電話がかかってきた。
「はい。」
風見さんの声は少し切羽詰まっていた。
「夏目。何か楽器できるか?女性捜査官に潜入してもらわないといけなくなった。」
「…え。」
「今、本庁か。」
「はい。机で作業してます。」
「すぐ戻る。」
「はい。」
…楽器?
どこに潜入すると言うんだろうか。
バンドマンとしてかな…。
もやもやと考えながら作業を続けていると、風見さんが帰ってきた。
急いだのか、汗をかいている。
「夏目はなんの楽器ができる?」
…何かが出来る前提で話をしているが、申し訳ないが私は旅館育ちだったので。
「…お琴しかできません。あと、リコーダーとトライアングル。」
「……。」
風見さんは頭を抱え、黙り込んだ。
「琴って…。」
「すみません。」
「仕方ない。1週間で人前に出られるくらいには特訓してもらう。夏目なら何が出来そうだろうな…。ピアノは?」
「猫ふんじゃったも弾けません。あっ!」
「なんだ?」
「三味線も少しだけなら!」
「バーに潜入するんだ!三味線なんか役に立たない!」
「…すみません。」
バーに潜入…。
私一人で…?
何をすればいいのか詳細はまだ聞かされていないが、私は胸が高鳴った。
きっと重要な仕事を任されたんだ。
「三味線ができるなら、ギターでいこう。…全然違うが仕方ない。」
「降谷さん。」
風見さんの後ろから執務室に入ってきた降谷さんがそう言った。
「夏目。」
「はい。」
「1週間死ぬ気で練習しろ。」
「はいっ。」
真剣な眼差しで見下ろされ、私は大きく頷いた。
「今してる仕事はどのくらいで終わる。」
「一時間もあれば…。」
「30分で終わらせろ。それ以降仕事は受けるな。」
「…!」
さ、さんじゅっ!?
「その後は夏目の家にいくぞ。」
「私の家ですか?」
「僕が徹底的に指導してやる。」