第17章 罪悪感
「や…やっぱりこう言うのは恋人同士ですべきだと思うんです!」
私は勇気を出してそう言った。
降谷さんは私の腰に手を回し抱き寄せていた。
こんな優しい表情でみられたらまた流されてしまいそうになる。
降谷さんに身を委ねて受け入れたら…。
このまま中途半端な関係を続けたら、黒田さんはどうなる?
キスしそうな距離感だったが、私は降谷さんの口に手を当てそれを拒んだ。
すると、降谷さんはその状態で固まってしまった。
信じられないという表情で私を見つめている。
「降谷さん…彼女さんにそういうのはしてあげてください……。」
私は彼女じゃないからー…。
「あの…今日はじゃあ、この辺で帰ります。」
このままいるとまた降谷さんに甘えてしまいそうで、私はエプロンを外すと降谷さんを見ることなく、部屋を後にした。
急いで帰ってる途中、私はコンビニに立ち寄った。
お水でも買って落ち着かないと。
「あら。」
「…っ!」
レジの近くに立っていたのは黒田さんだった。
「えらい驚くのね。」
「あっ!え…っと!こんにちは!」
「今日は休みだったかしら。」
「はい!家この辺なんです!ただちょっとお水を買ってただけで!」
「…どうでもいいわよ。そんなこと。なに慌ててるの。」
貴方の彼氏の家から帰ってきました、なんて言えるはずもなく、つい言い訳じみてしまった。
「私は仕事だから、また。」
「はい…お疲れ様です。」
心臓の音が凄すぎて口の中がカラカラだった。
ーー大丈夫。私は今日は何もしてない。ご飯作っただけ。
一緒に食べてもないし……。
ーーー…一緒に食べなかったってことは、あれだけご飯作っておいて降谷さんを一人家に残してきてしまったってことだ。
コンビニでお水買って、お店の前でそれをゆっくり口に含んだ。
一人で食べてるのかな…。
「なんか…申し訳ないことしちゃった。」