第15章 寒さの中で
「…っん…」
ぐっと押し付けられ、降谷さんが上から覆い被さってきたので、私は右手を床についた。
それでも降谷さんは止まらなくて、舌を絡めてきた。
「…っんぁ…」
角度を変え、離れる瞬間に大きく息を吸う。それだけだと酸素は足りなくて、次第に呼吸が乱れてきた。
降谷さんの足の間で抱き止められ、深い深い口付けーー…。
最初は逃げてた舌も、絡み取られ吸い上げられた。
「…ッは…」
「めぐみ…。」
名前を呼ばれるたびに心臓が飛び跳ねる。
舌が絡まっていくたびに何も考えられなくなる。
力が入らなくなって、自分を支えていた右手が震えてガクンっと倒れそうになっても、背中に手が周り、舌を求められた。
あんなに寒かったのにーー…今はこんなにも熱い。
「…ぁ…んっ…」
膝の辺りを撫でられ、私は降谷さんの背中の服を握りしめた。
「…もう、寒くないか。」
「……っ。」
ゆっくりと離れ、頬を撫でられた。
私は恥ずかしくて降谷さんの胸元を見ることしかできなかった。
「…さ、寒い。まだ…寒いです。」
あまりに優しくて、気持ちいいキスのせいだ。
そう自分に言い訳をして、本当はこんなにも暖かいのに寒いふりをして、私は降谷さんの上着の中に潜り込み、手を背中に回した。
「なら…もう少しーー…。」
「…降谷さん……んっ…」
目を合わせ、名前を呼び合い、惹かれ合う。
私たちの吐息は雨に中にかき消されていったーー。