第15章 呼び出し
ある日、涼子は夢小説の定番パターンの不二のファン達に呼び出しの手紙を貰った。ファンクラブは中等部の子らしいのだが…わざわざ高等部まで来て手紙を置いて行ったらしい。
「うわっ…面倒くせぇ…。」
杏奈「面倒くせぇじゃなくて…なんか怖くない?」
「いや、中坊でしょ?別に怖かないわよ。」
杏奈「あぁ…まぁ…涼子ちゃんだもんね。」
ちなみに一緒に話している杏奈という女子生徒は涼子の数少ない友人の1人である。
「どういう意味さ?」
杏奈「だって…涼子ちゃんは無敵でしょ?私の家に出た霊も祓ってくれたし!この前、私が先輩に絡まれてた時に助けてくれたし。」
「別に普通じゃん?」
杏奈「いやいや、普通ではないよ。……で、どうするの?放課後中等部の裏庭行くの?」
「え?わざわざ相手の都合に合わせる気はないから昼休みにこのファンクラブのリーダーとやらの所に直接言ってくるわ!だから、杏奈?昼休みはぼっち弁当だけど頑張っ!」
杏奈「…………どうしても昼休み行っちゃうの?」
「うん!私せっかちだから放課後まで待てないし…何より相手の都合に合わせるのが癪だわ!」
杏奈「ははは…そうよねぇ…。まぁ、私は大丈夫だから気を付けてね?勢い余って呪ったりしないようにね?」
「しないって!」
そして昼休み、涼子は中等部の校舎へ向かう。
「てか、このリーダーって…何年何組だ??」
困っていると都合良くストーカー予備軍の乾貞治を見かけた。
乾「あっ…三神先輩。昼休みなのに中等部へ何か?もしかして人付き合いが苦手が故に昼休みぼっちなので寂しさのあまりわざわざ不二の所へ?」
「違うから!この周助のファンクラブとやらのリーダーに呼び出しくらったのよ!」
涼子は手紙を見せる。
乾「………手紙には放課後と書かれてますが?」
「私が相手の都合に合わせる義理はないでしょ?」
乾「…なるほど。」
乾はノートに涼子のデータを書き足す。