第58章 バレンタイン
次の日、涼子は必死こいて手作りしたチョコを渡そうと不二が家に来るのを待っていたのだが…
「げっ!!もぅこんな時間!?遅刻しちゃうじゃん!なんで周助の奴来ないのよー!!」
いつものように不二が家に来ないので慌てて準備して1人で登校した。
教室に着き、とりあえず不二に『今日来ないけど何かあった?』とラ◯ンを送ったのだが…
「あんにゃろう…」
拗ねているスタンプだけが送られてきたのである。
そして昼休み、涼子は中等部の校舎へやって来た。
「周助ー!!」
3年6組の教室のドアを勢い良く開けた。中に居た生徒はガラの悪そうな高等部の先輩が来たので非常に驚き一瞬無音になった。
菊丸「あっ!涼子先輩だ!」
「よっ!菊丸君。相変わらず絆創膏貼ってるのね!かぶれたりしないわけ?」
菊丸「…ちゃんと貼り替えてるから大丈夫だにゃ。」
「あらそうなの?…てか、周助!ほら!チョコよ!」
不二「……………。」
「何よ黙って…せっかく持って来たんだから食べなさいよ?」
不二「……………もぅいいよ。」
「は?欲しかったんでしょ!?」
不二「…………昨日じゃないと意味ないのに。」
「…何拗ねてんのよ?」
不二「……別に。」
「拗ねてるでしょ?」
不二「……別に。」
「…別に以外に何とか言いなさいよ?」
不二「……別に。」
普通の女は不二周助にここまで冷たくされたら落ち込むなりするのだが…