第32章 乾汁と幼女
ある日、涼子はいつも通りテニス部の練習を見ていると乾に話しかけられた。
乾「三神先輩、是非お願いしたい事があるのだが…」
「ん?何よ??」
乾「これの試飲をお願いしたい。」
もちろん乾の差し出した物は乾汁の新作である。
「…なんか不味そうな色ね?」
乾「味は保証するよ?不二もいつも美味いと言って飲み干す。」
「ふ〜ん…じゃぁとりあえず少しだけ………んげっ!不味っ!!」
乾「…流石だな……不二以外はみんな一口で失神するのに。」
「オエッ!先にそれ言えよ!!」
乾「一口以上の量を飲んで失神しないということは、おそらく今までのより飲みやすい味に仕上がったわけだな!よし!早速……」
「んなもん作ってんじゃねー!!」
涼子は新作乾汁の入ったボトルを叩き割った。
乾「だーー!!なんて事を!!もぅ材料無いのに!!」
「はっ!そんなの無い方がきっと他の奴らには感謝されるわよ!」
この日は新作乾汁はクソ不味いという事で終わったのだが…次の日の朝、事件が起きた。
いつも通り、不二が涼子の家を訪れた時の事である。部屋に入ると居るはずの涼子の姿が無かった。