第15章 *お泊まり 【夜久衛輔】
その後、私達はゲームをしたり、学校のことをはなしたりして時間をつぶした。
帰る時間になる。
が、しかし…
外は朝よりも天候が悪化し、とても帰れる状況ではなかった。
「どうしよ…」
「…よかったらうちに泊まる?」
「え?」
夜久くんの答えに驚く。
「うち、今日親いないから」
「いやいやそれはもっとまずいんじゃ!?!?」
だ、だって夜久くんと二人っきりだよ!?!?そんなの耐えられないよ…!!
「あー、いやほら…飯作ってもらいたいし…?」
な、なるほど。
そういえば夜久くんって料理できないんだよなー。
お母さんっぽいのに意外。
まぁ、そういうことなら仕方ないよね。
夜久くんを一人にするわけにもいかないし。
「わかった。一晩お世話になります!でも着替えとか持ってきてないけど大丈夫?」
「あー、俺の使ってくれればいいよ。」
や、夜久くんのだと…!?!?
い、いわゆる彼シャツというやつだよな…?
ヤバイ!!恥ずかしすぎてどうにかなっちゃうよ…!!
「そんなに俺の着るの…嫌?」
どうやら無言を否定と捉えたらしい。
「ち、違うの!!その、服、借りさせて貰うね?」
そんなこんなで、お泊まり決定です。
まずは冷蔵庫を拝見。
うーん、この材料だと…オムライスができそう。
それに私はオムライスが1番得意だから!
「夜久くん、夕飯オムライスでいーい?」
「オムライス!?やった、俺オムライス好きなんだー。楽しみにしてるね!」
そう言って彼はお風呂に入っていった。
彼がお風呂からあがる頃、ちょうどオムライスができあがった。
うん、我ながら上出来。
「うわぁー!美味そう!!」
満面の笑みを浮かべる彼。
つられて私も笑顔になる。
「いただきます!」
声を揃えて言った。
なんだか、本当の家族みたい。
「ん、美味い!!さすが優希だな!!」
…いつか本当の家族になれたらいいな。