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私と彼と排球部。*short story*

第15章 *お泊まり 【夜久衛輔】


それから私たちは映画鑑賞をする。


しかし、あまり内容に集中できなかった。


なぜなら隣に夜久くんが座っており、尚且つ手を握られているのだ。


は、恥ずかしい…ッ

私が手を退かそうとすると、無言で更に強く握ってくるのだ。


うぅ…逃げられない…ッ




やがて映画はクライマックスになる。


主人公の男女が浜辺でキスをするとてもロマンチックなシチュエーション。

女の子なら誰もが憧れるだろう。

「うわぁーいいなぁ!」

つい口に出してしまった。





……それが間違いだった。

「何、してほしいの?」

そう言って笑い、私の頬に手を添える夜久くん。

「え、ちょっま」

私の言葉は夜久くんの唇によって塞がれた。


あれ…いつもよりキスが長い気がする…
だんだん息が苦しくなり、酸素を求めて口を開く。

すると、夜久くんの舌が無理矢理ねじこまれた。

「!?!?」

「舌…出して?」

いきなりのことに戸惑いつつ、言われた通りにする。

「…ん、ふっ…ぁッ…」

変な声が自然と出てしまう。

抵抗しようとしても体に力が入らない。

もはや夜久くんのなすがままだ。



やがて唇が離れ、銀色の糸が私達を繋ぐ。


すると、夜久くんが私を撫でた。

「大丈夫。まだ何もしないよ。お前が俺のすべてを受け入れてくれるまで、いくらでも待つ。俺一人が良くても嬉しくない。だから、そんな怯えんな。」

優しく微笑み、涙を拭ってくれた。

言われてみれば、私の体は震えていた。


そっか。気遣ってくれたんだ。


夜久くんの優しさを改めて感じられた。



(やっべぇ!!理性吹っ飛びそうになった…)
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