第13章 *海 【灰羽リエーフ】
「あ、あの、先輩…」
ふいに声をかけられる。
「これ、着てください」
そう言って、リエーフがパーカーを脱いで私に渡してきた。
水着…似合わなかったからかな…?
「あ、いや!水着、すっげえ可愛いっす…。でも、その…ほかの男に見られたくないってゆうか…」
リエーフが真っ赤になりながらそう言う。
どうやら、心配する必要は無かったようです。
「うん、ありがと!!」
そう言ってパーカーに腕を通す。
思った以上にパーカーはぶかぶかだった。
そりゃそうだよね。リエーフは190㎝もあるんだもん。
なんか、男の子ってことを改めて気付かされちゃうなー。
そっと袖を口元に持っていく。
微かにリエーフの匂いがした。
なんだか落ち着く匂い。安心するなぁー…。
なんて思っていると、
「ちょ、何してんすかっ…!!も、そんな可愛いことしないで欲しいっすよ!!」
突然彼が私を抱きしめる。
「リ…リエーフ?」
突然の事に混乱してしまう。
「俺、優希先輩のこと……好きなんすよ。」
「え?」
「だから、俺と…付き合ってくださいっ!!」
その言葉で、顔に熱が集まってくるのを感じた。
心臓がいつもより速く脈打っている。
声が震えてうまく喋れない。
でも、ちゃんと、伝えるんだ。
「私も…リエーフが、好き。」
そう言うと彼は抱きしめる力を強くした。
彼の、ちょっと早足な鼓動が伝わってくる。
私の鼓動も、伝わっているのかな?
なんて、幸せに浸っていると、
黒「おいおいお前らイチャついてんじゃねーぞー」
夜「ただでさえ暑いのにお前らのせいでもっと暑くなってきたぜ」
山「お前ら…詳しい話を…」
その後皆に質問攻めにされたとさ。
*海*
今年の夏は
いつもよりも暑い夏になりそうです。