第10章 *カミナリ 【澤村大地】
ドカーン!!
外でものすごい音が鳴る
そう、これは雷だ。
私の大敵…。
ピカッ
「ひいぃっ!!」
こんなんじゃ寝れないよ。
ふと、窓の外を見る。
窓からは隣の家の窓が見える。
それは、大地の部屋。
大地と私は幼馴染なのだ。
「大地…まだ起きてる…」
大地の部屋には、まだ電気がついていた。
そういえば受験生だもんね、勉強かな…?
大地の部屋、行ってみようかな。そうすればちょっとは怖いの紛れるかも…。
でも、勉強の邪魔はしたくないし…
ゴロゴロ…
「ひぎゃっ…!!」
そんなことは言ってられない。こうなったら一刻も早く大地の部屋へ…!!
私は窓を開けて大地の部屋の屋根に飛び乗った。
「だーいーちー!!」
コンコンと窓をノックしてみる。
すると、すぐに大地が窓を開けた。
「優希…お前今何時だと思ってるんだ…」
そんなことを言いながら私の手を引いて部屋に入れてくれる。
「えへへ、ごめんごめん」
「まったく…それに危ないから窓から来るなよ」
「大地のそうゆうとこ、お父さんみたい」
「お父さん言うな」
大地の事をお父さんと言うと怒る。
ピッタリな言葉だと思うんだけどなぁ…
「それで、今日は何しに来たんだ?」
「か、雷が…」
そう言いかけたところで、また雷が鳴る。
「ひうっ!?」
咄嗟に大地に抱きつく。
「ご、ごめん!!」
大地から手を離す。
「別にいいけど…優希って雷怖いんだ?」
「…悔しいけど…そうです…」
このことはまだ誰にも言ってなかったけど、大地になら言ってもいいかな。