• テキストサイズ

私と彼と排球部。*short story*

第9章 相合傘 【西谷夕】


「雨かぁ…。」

季節は梅雨。

「天気予報では今日は降らないって言ってたのに…」

生徒玄関ではたくさんの生徒が雨宿りをしている。

私もその中の1人であった。

「あ、優希!!」

聞き覚えのある声に、突如名前を呼ばれる。

「ノヤ。どうしたの?」

「あ、いや別に大した用は無いんだけどさ。お前こそこんなとこでどうしたんだよ。雨宿りか?」

「うん。傘、忘れちゃって」

「そっか。あ、俺置き傘あるんだけど、よかったら一緒に入るか?」

予想外なことを言われてしまった。

ノヤのそうゆう優しいところ、やっぱ好きだな。

でもね

「ううん。大丈夫。家近いし、多少濡れても平気だよ。ありがとう」

だって、あなたと相合傘なんて、ドキドキしすぎて心臓が壊れちゃう。

「いや、でも女の子を一人で帰すわけにはいかねぇよ…」

ノヤはその決して大きくはない体からは想像がつかないほど男前。

そんなノヤはどんな男の子よりもカッコいいと思う。

「とにかく、お前は俺と一緒に帰るの。これは、俺からの命令な?」

ノヤはいつも内気な私をひっぱっていってくれる。








その優しさ、私だけのものにしてもいいですか…?

「あのね、ノヤ。」

「ん?どうした?」

「1つ、我が儘言ってもいい?」

「おう…?いいけど」

「あのね、みんなに優しいノヤも大好きなんだけど…」

「?」





「その、相合傘とか…そうゆうのは私だけにしてほしいの…!!」

言った。


言ってしまった。

ノヤは、どんな反応してるかな…?
/ 70ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp