第8章 *看病 【赤葦京治】
「え?」
「なんで…頼ってくんないんですか…」
「…赤葦君は優しいから…ホントの事言ったら心配しちゃうんじゃないかって…迷惑になっちゃうんじゃないかって…」
「迷惑だなんて…思うわけないじゃないですか。」
「…へ?」
聞こえるか聞こえないかわからないぐらい小さな声で彼がそう呟いた。
「好きな子に頼られて迷惑だなんて思う男は…たぶん存在しませんよ。」
そう言って私を抱きしめる。
「事務的連絡はいつも俺にしてたのに…急に木兎さんにするから…ちょっと妬いたじゃないですか。」
いつもの彼らしくないセリフに驚く。
「だから、もっと俺を頼ってください。むしろ他の奴頼られる方が嫌なんで。」
その言葉に、彼への「好き」がまた募っていく。
「…で、先輩の話は?」
照れたように、急に話題を変えてきた。
…すっかり忘れてた。
でももう聞かなくてもいいんだけどね
「なんで来てくれたの?って聞こうと思ったんだけど…その必要がなくなっちゃった」
そう言って抱きしめ返す。
彼の腕の力が強くなる。
彼はなにも答えなかったけれど、きっとこれは照れ隠し。
「赤葦君…好きだよ」
「俺は大好きですけど」
「な!?」
そんなことをさらっと言えちゃう君は心底ずるいと思う
*看病*
あれれ、不思議だな
キミの顔を見ただけで元気になれる