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私と彼と排球部。*short story*

第6章 *幼馴染卒業 【黒尾鉄朗】


クロが私の顔をまじまじと見る。

うぅ…これは疑われてるパターンだ。

「お前、やっぱ嘘ついてんだろ。」

やはり幼馴染にはバレてしまった。

「それでバレないとか思ってたの(笑)ある意味すごいよ。だって顔に出まくってるし。」

…まぁ、自分が嘘つくの苦手なのは知ってるけれども…。

内心落ち込んでると、クロが急に真顔になった。

「…で、ホントは?」

「…クロの様子が変だったから…。なんか、そわそわしてたし、それで気になっちゃって…。」

嘘をつくのを諦めて、本当のことを言ってみた。

すると

「へぇ…優希ってそんなに俺のこと好きなんだぁ」

「!?!?」

予想外の答えが返ってきた。

なんでそうなるんだ?

「だって、俺がソワソワしてたってことはいくら鈍感な優希でもこの後の展開はわかったんだよね?」



何も言い返せずただ頷く。

「それで、分かっていながらついてきて、その上ほら、俺が告白されて泣いてる。」

そう言ってクロは私の涙を親指で拭う。

「告白されて泣くってことは…期待してもいいんだよね?」

そう言ってクロは私を抱きしめた。

「クロ…私…クロのこと…!!す、、きっ!!」

涙で声が震えながらも、自分の思いを必死に伝えた。

その思いが伝わったのか、彼は抱きしめる力を強くする。

「…ん、俺も。」

その言葉に私も抱きしめ返す。

「…たくおせぇよ。どんだけお前からのその言葉待ってたと思ってんだ。」

またもや予想外の言葉が来た。

「俺、もうダメかと思ったんだからな?何年待たされたことか…」

「そ、そんなこと言ったら私も!!ずっと前から同じ気持ち…」

「ふはっ、俺ら、かなりすれ違ってたんだな」

彼は満面の笑みをこぼす。

その笑顔が愛おしくてしょうがない。

私たちはしばらく見つめあい、初めてのキスをした。

*幼馴染*
小さい頃から一緒だから故に、遠周りする。
でも遠周りした分だけあなたへの好きが詰まっていく
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