第1章 *ぶっきらぼうなキミ【影山飛雄】
「おはよう!影山君!!」
「あぁ、おはよう。」
「きょ、今日はいい天気だねっ!!」
「そうだな。」
今は影山君と登校中。
なのですが・・・
…全く会話が続きません。
私の彼氏、影山君は、無口で、無表情で、バレーではとても頭の回転が速いのに、勉強は苦手。感情の表現が苦手で、いつも怒ったように見える。
そんなところ全部含めて好きになったんだけど…。
やっぱりこれはちょっとさびしくないですか?
まぁ私の会話力が無いのも問題なんだけど…。
やっぱり、影山君は私と一緒にいても楽しくないのかな?
そう考えると、なんだか泣けてくる。
「おい。何で落ち込んでんだよ。」
「へ!?べ、別に何でもないよ!?」
落ち込んでる理由はわからない鈍感なのに、表情の変化にはすごく敏感。
鈍感なのか敏感なのかよくわからないな。
「言いたいことがあるなら言え。今すぐ。」
「だ、だから何でもないってばっ!!」
影山君が冷たいからさびしいなんて、そんなの本人に言えるわけないじゃないか。
「…嘘つくお前は嫌いだ。」
そう言って影山君は狭い路地に私を引きこんだ。
「きゃっ!?」
影山君が私を壁に押し付ける。
「俺に言えないようなことなのかよ。」
「そ、そんなことないっ!!」
「じゃあ言えよ。恋人同士は隠し事無し。なんだろ?」
影山君の威圧に観念して、本当のことを言った。