第5章 また見惚れてんのか
寝返りを打とうとするも身動きの取れない状態に目が覚めた。
まるで大蛇が腰に巻き付いてるような感覚に身を捩り、目を開ける。
目の前には厚い胸板に刻まれた見覚えのあるタトゥー。
そのまま顔を上げると、目を伏せ気持ちよさそうに寝息を立てているローの鼻息が顔にかかる。
「ッッ!!!」
驚くべきはお互いが裸だと言うこと。
ズキっと下腹部に走る痛みとお互いの状況に昨夜の行為を思い出す。
顔が火照るように熱くなり、放心したようにローの胸を眺めていると上からクスリと聞こえ顔を上げる。
「ククッ、今からヤるか?」
「い、いつから起きてたのっ!」
そう言うとローは腰に回していた腕に力を入れ、自分の方へとコノハを抱き寄せる。
「…昨日は乱れに乱れてたな。」
耳元で囁く低い声に体がピクリと反応してしまう
「…ッ、気持ちよかった…からッ」
素直なコノハの露わになっている尻を手で包むと、体が跳ね石鹸の匂いが鼻腔をくすぐる
耳まで赤くし自分の胸に顔を埋めるコノハに、下半身が反応し熱を帯びていく
「…クソ。」
昨日の今日で無理はさせたくなかったが、ここまで反応が良いと仕方がない。
「…今日の朝メシは作らなくていい。今から抱かせてもらう。」
放たれた言葉に驚くように自分を見上げるコノハにキスをし組み敷く。
「えっ、待って朝だよ?それに、腰とか痛くて…」
「…朝も夜も関係無ェ。今日はゆっくりさせてやろうと思ったが、煽るお前が悪い。」
「ねっ、待ってロー…!」
全力の抑止も虚しく意識が飛ぶまで激しく抱かれたコノハは、目を覚ますとローに一週間のおあずけを言い渡すのだった。
「アレ、コノハ体調でも悪いのかな?それに、キャプテンもいないね。」
朝ご飯を楽しみに食堂へと来た3人。
いつもなら美味しそうな匂いが漂う食堂に来てもその匂いはない。
「どうせキャプテンの寝起きが悪くてコノハが手を焼いてンだろ。」
「おっ、ベポとシャチはそう思うのか?俺はどうもそう思わねえな。…ムフフなことでもしてるんだよ、きっと。」
鼻の下を伸ばしいつも通り妄想を膨らませるペンギン。
それを呆れた顔でハイハイと流す2人。
ペンギンの予想が的中しているとは思いもせず、2人は食堂をあとにした。