第12章 まるで魔法だな
「ハァ、ハァ…。」
全身の力が抜け、ローの上に体を預ける。
「ハァッ、動けるか…?」
大きな手が後頭部を撫で、するりと髪に絡みつく。
「む、無理。まだ動けない…。」
普段使わない筋肉を使ったせいか、背中やら腰の筋肉が悲鳴を上げている。
「そうか…。だがこのままだとまたお前を抱いちまう。…抜くぞ。」
そう言ってローは優しくコノハの腰を持ち上げる。
「んぁ…。」
ローのモノが抜かれ、コノハの秘口からは白濁したものが溢れる。
ぽたぽたと滴り落ちる白い液体は、ローの腹の上に溜まっていく。
「ごめん、お腹汚しちゃって。」
そう言っている間も自分のソコからは絶え間なく液体が滴る。
すぐにでも動ければいいのだが、なにせ体が動かない。
「俺が出したのになんでお前が謝る。」
背中に手を回されグルリと視界が変わった。
顔を覗き込んできたローの後ろには天井。
久しぶりに天を仰いだような気がする。
「早々に脱がしちまったが、ツナギ姿もなかなか良かった。」
おでこに張り付いた前髪を上げられ、額についた汗を拭われる。
急に褒められたのがなんだか恥ずかしくて、同じようにローの額についた汗を手で拭ってみた。
「そういやコノハ…。」
名前を呼ばれその手は止まる。
「さっき風呂場でアイツらに話してた事だが…。」
風呂場で話していた事…
何のことか分からず一瞬首を傾げたが、ペンギンの言葉を思い出す。
「キャプテンのどこが好きなんだよ!」
その言葉の後、自分は何て答えたか。
タイミングよくローが現れたとは思ったけど、まさか…
「えっと…聞こえてた…?」
好きとか愛しているとかきちんと伝えているのに、これはこれで恥ずかしい。
少し引き攣った顔で聞けば、ローは口元を吊り上げた。
「…全てな。」
自分の言っていたことが途端に恥ずかしくなり、ローの胸に顔を埋める。
「うぅ、穴があったら入りたい…。」
ベポ達に話すのと、ローに話すのとではワケが違う。
「っていうか、盗み聞きしてたなんて酷いよ〜。」
厚い胸板をぽかぽかと叩いていると、ローの手がそれを止めた。
「フッ、悪かったな。」
少しむくれた顔をしたコノハの顎を持ち上げ、薄く開いた唇にキスを落とす。
…盗み聞きもたまには悪くねェ。