強くて、脆くて、可愛くて【東リべ夢】〘佐野万次郎夢〙
第5章 弱さも脆さも分け合って
好きな人とこうやって肌を合わせるのが、こんなにも気持ちよくて、心が温かくなるなんて知らなかった。
「……大丈夫か?」
「うん……へへへ、こんなに自分に体力があるなんて、知らなかった」
「俺はまだヤれっけど?」
「……性欲お化け……」
そうは言ったものの、さすがに疲れてきていたりする。
優しく触れた唇が、舌が、ねっとりと絡みつく。
「ん……んンっ、ゃ……何でまた、おっき、くっ……」
中に入ったままの万次郎の昂りが、再び自らの存在感を主張してくる。
「はっ、んっ……中っ、喜んでるじゃん……」
「あぁっ……ま、って……」
「後一回、だけっ……」
我ながら甘いなと思いつつも、妙に楽しそうな万次郎に揺さぶられ、喘ぎ、堕ちていく。
朝、エマちゃんに起こされるまで、私と万次郎は気を失ったかの様に眠っていた。
清々しい朝のはずが、全身と腰のダルさと下腹部の重さに、何とも言えない。
「一回って、言ったのに……」
恨めしく万次郎を睨むと、満足そうな顔で笑って鯛焼きを頬張っている。
学校の屋上で、開かれた脚の間に挟まれるように、万次郎を背凭れにして座っていた。
空を見上げて、ボーッとする。
何て平和なんだろう。
「ん……万次郎、分かるところに、付けちゃダメ……」
「俺のっていう印なんだから、見えないと意味ねぇの」
後ろから首筋や、うなじ、耳の付け根にキスを繰り返す。
吸われる部分がチリチリ痛む。鏡を見るのが怖いなとか、髪を結うのはやめようとか考えていると、首以外にも違和感が。
「……万次郎……何で揉んでんの?」
「んー? 俺のだから」
理由になっていない。何故、私が万次郎のだから胸を揉むという行動に至るのか。
人の胸で遊ばないで欲しい。
「万次郎はほんとに胸好きだよね」
「ただおっぱいが好きじゃなくて、のおっぱいだから好きなんだよ」
そう言って、再び首にキスをしながら、やわやわと揉むのを再開させた。
どうするのが正解なのか分からないから、万次郎が楽しいならいいかと、とりあえず諦める事にする。
少しくすぐったさに身じろぐ私の耳に、遠くの方からチャイムが聞こえた。
「教室戻らなきゃ。ほら、万次郎離して」
「ヤダ」