第8章 嘘であって欲しい
新津さんは優しく頭を撫でてくれた。
優しくされて余計に涙が溢れた。
私は雄也さんのマンションでの出来事を新津さんに話した。
新津さんは優しく泣いてる私を抱き締めてくれた。
「浅岡の奴、見損なった。僕は浅岡だから美智留ちゃんの事を諦めようとしたのに、こんなに泣かせるなんて絶対、許せない。。。。だから僕は美智留ちゃんの事、諦めない」
えっ?
「僕なら絶対、美智留ちゃんを泣かせたりしない。だから僕の事、好きになって欲しい。」
新津さん。。。
新津さんの優しい言葉が胸に突き刺さる。
「弱ってる君にこんな事を言うのはズルイよな。。。。でも僕は本気だ。」
一層、抱き締める腕に力が入るのを感じた。
またスマホの着信音が鳴った。
雄也さんなのは分かってた。
新津さんも分かってるみたいで
「出るな」
って言われた。
「今は雄也さんの声を聞くの辛いから出ない」
そう言って新津さんの背中に腕を回した。
「美智留ちゃん」
愛おしそうに名前を呼ばれてドキドキした。
いつの間にか涙は止まっていた。