第1章 初めての気持ち
僕は1年前にメジャーデビューしたFIELD OF VIEWのヴォーカル浅岡雄也。25歳、独身。
他にメンバーは、小橋琢人、新津健二、小田 孝が居る。
自慢じゃないけど、出す曲、出す曲、ミリオンヒットになってる。
今は春のライブに向けて皆で毎日レッスンや打ち合わせをしている。
季節は年明けの冬。
段々と寒くなるこの時期。
どう言うライブにしたいか皆で話し合い素敵なライブにしようと頑張ってる。
そんなある日、僕はレッスン場に向かう途中でメンバーとスタッフに差し入れを買って行こうとコンビニに寄った。
「いらっしゃいませ〜」
店員さんの元気な声が響く。
何にしようか店内をウロウロし物色してたら、ドン。。。
「。。。えっ?」
「あっ!すみません」頭を下げて謝る彼女。
どうやら僕にぶつかったみたいだった。
頭を上げた彼女を見て僕は身体中に電気が走った。
「あっ!だ、大丈夫ですよ。気にしないで下さい」そう言うのが精一杯だった。
すると彼女は何故か僕を見て顔を赤らめて硬まっていた。
どうしたんだ?
「あの〜?」って声を掛けたら彼女は、はっとして「す、すいませんでした」って言って何も買わず店から走って逃げる様に出て行った。
実は彼女、僕のタイプど真ん中だったから、一瞬で恋に落ちたのが分かった。
しかも何故かホッとする様な懐かしい感じがした。
いわゆる一目惚れ。
一目惚れなんて人生で初めてだった。
どうすれば良いのか分からず彼女が店から走って出て行ったのをただ見てるだけしか出来なかった。
情けないな、僕は。
連絡先も何も分からなかったら、次に会えるなんて奇跡でも起こらない限り無理じゃん。
彼女に会いたい。めちゃくちゃ会いたい。
会って話がしたい。
レッスン場に行ってからも僕は彼女の事が頭から離れなかった。