第2章 彼女の心の中は
玲華は小さくため息をついた。
(音柱様、最近いらっしゃらないわ。)
ここのところ週に一度は来ていた宇髄が、もう三週間程来ていない。
(そりゃ柱ですもの。お忙しいわよね。)
玲華は素振りを再開する。
(でも、あれだけ来てくださってたのに。)
素振りをしながら、さらに考える。
(でも、元々音柱様はなんの為にいらっしゃってたのかしら。会いに来た、なんておっしゃってたこともあったけど。)
玲華は藁で出来た的へ、素振りを繰り返す。
(私に会いに?でも特に面白いわけでもないわ。治療が出来るわけでもないし。でも、買ってきてくださる甘味は私の為よね。)
玲華は手を止めると、汗を拭った。
(音柱様は誰にでもそういうことをするのかしら?それとも私だけ?)
玲華は裏庭を後にして、湯浴みに向かう。