第16章 結ばれる *微R?あり
『・・・・理子ちゃんにもこの景色、見せてあげたかったなぁ…』
きっと目を輝かせながら無邪気に雪の中を走り回るんだろうな。
それで皆んなで雪だるま作って、雪合戦したりして…
そんな光景を想像すればするほど、切なさが込み上げる。
すると私の気持ちを察したのか、五条が腕を伸ばし、私の頭を優しく撫でた。
「雪は見れなくても、天内は向こうで楽しくやってんだろ。」
『ん…そうだね…』
「ーーーー近いうち、会いに行くか?」
『えっ⁉︎理子ちゃんに、、、⁉︎』
思いがけない誘いに目を見開く私と、
ニッと片方の口の端を持ち上げる五条。
「お忍びデート旅行in沖縄。」
『行きたい行きたい行きたいっ‼︎せっかくだし傑と硝子にも声掛けてさっ!
あっ!七海と灰原も誘ってみよっか⁇』
「ーーーーいや、聞いてた?お忍びだって言ってんの。
一応アイツは雲隠れしてる身なんだからコッソリヒッソリが大前提だろーが。」
『あ、、、そっか…』
シュン、と肩を落とす私を見て、五条は短く息を吐いた。
「・・まぁ、今は無理でも何年後かには皆んなで行けるんじゃね?」
『うん…、そうだね。』
それはいつになるかは分からないし、夢のまま終わるかもしれない。
それでも、そんな未来を想像しただけで胸がワクワクするし気持ちが明るくなる。
五条はこうしていつも私の心を明るく照らしてくれる…
チラッと目線を上げ、五条の横顔を盗み見る。
ーーーー綺麗な横顔。
窓からの光に照らされ、肌は透き通るように白く、髪は銀色に輝いている。
ねぇ、あなたが言う"何年後かの未来"には何が映ってる?