第14章 代償
目を開くと、目の前には俯き心無しか小刻みに肩を震わせる愛しい人の姿が映る。
『ーーーーそれって、、私の事が好きってコト、、、?』
バッと勢いよく顔を上げる五条と至近距離で目が合う。
いつもならちげーよバーカって鼻で笑うのに、今はまるでキツネに摘まれたような顔をして私を見ている。
そしてこの一端が傑と硝子が仕組んだものだったという事を察した五条は2人を追いかけようとしたけど、私はそれを慌てて止めた。
ちゃんと話したかった。
傑との事、私の気持ちも全部…。
五条は私が伸ばした手を優しく握るとベッドの端に腰を下ろした。
側にいてくれる安心感と握られた手の温もりがひしひしと伝わってくる。
沢山の人を救える手。
私は何度もこの手に救われた。