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呪術廻戦 〜アナザーストーリー〜

第14章 代償


パタン



病室から出るとすぐ近くの長椅子に見知った顔が座っていた。


「・・・・硝子。」

「、目覚ましたんだって?」



あぁ。と頷き、隣に腰を下ろした。


「・・・中、入らないのか?」

「んー。今は1人にした方が良いのかなって。」


肩を竦め足を組む硝子を横目に、「全く、察しが良いな」と苦笑いを浮かべた。


はぁ〜とため息を吐き、天井を仰ぐ。


「最後までカッコつけたけど、キツいもんだな…。」

「そんなに好きなら身引かなきゃいいのに。」

「あの時の2人を見たら身を引く気にもなるさ。
の目には悟しか映ってなかったよ。」


「・・・ふーん。」


さして興味の無さそうな返事が返ってきて思わずフッと吹き出した。


「随分反応が薄いな。これも硝子にしてみれば想定内だったか?」

「いーや?そんな事ないけど。
私としては夏油でも五条でもが笑ってくれてればどっちでもいいさ。」

「ハハッ、そうか…相変わらずドライだな。」


自嘲気味な笑みを浮かべるていると、「でも…」と硝子が口を開いた。



「夏油といる時のあの子はよく笑って幸せそうに見えたよ。」


「・・・・。」


予想外の言葉に思わず顔を上げると、硝子は気怠げに短く息を吐いた。


「じゃあ今日は夏油のおごりで朝まではしご酒するか。」



励まそうとしているのか、ただ酒にありつこうとしているのか。
本当のところは分からないが1人でいるより気が紛れそうだ。


窓の外は陽が沈みかけ西の空を赤く染めている。


・・・まだ夕方じゃないか。

長い夜になりそうだな。と腰を上げた時、ふとある事を思い出し、ポケットから携帯を取り出した。



「やられっぱなしは性に合わないからな。」

「・・・そーゆう所、あんた達ってそっくりよね。」


呆れ顔の硝子を横目に、通話ボタンをタップした。

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