第13章 焦燥
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、」
全速力で階段を駆け上がる。
出来るだけ振動を与えないように運んでるけど、、、
「さんっ‼︎あと少しですからねっ⁈」
走りながら横抱きに抱えたさんの顔に目線を落とすと、顔は青白く、唇も色を失っていた。
ーーーやばいやばいやばいやばいやばい‼︎‼︎
えっ⁈なんかさっきより身体冷えてきてない⁈
「きっ、、気のせい気のせいっ、、‼︎」
ブンブンと首を振り、絡まりそうになる足を必死に動かす。
大きな鳥居をくぐるとようやく校舎が見えてきた。
「あっ‼︎七海っ‼︎歌姫さんもっ‼︎」
何百、何千といた蠅頭はほぼ祓い終わっていた。
「あーっ⁉︎灰原‼︎あんた先輩に仕事押し付けて何処行ってた、、、、えっ?それって、、⁉︎⁉︎」
「灰原…まさか、、、」
七海がぎゅっと眉を寄せた。
「いやいや‼︎まだ辛うじて息してるからっ‼︎
それより歌姫さんっ‼︎家入さんは今どこにいるか分かりますかっ⁉︎」
歌姫さんはハッとしたようにポケットから携帯を取り出すと瞬時に指示を出した。
「私が硝子に連絡を取るから!アンタはすぐに医務室向かって‼︎
七海はまだ蠅頭が残ってる可能性があるから灰原のサポート、それと夜蛾に状況報告っ‼︎」
「はいっ‼︎」 「はい。」