第4章 地獄、落ちました
突然の事に脳みそが置き去りにされた私は、ポカンと口を開けた。
そんな私を見て皮肉にもクスリと笑うと、セイリュウさんは窓に視線を送った。
「理解できないなら、外を見てください」
理解できないって、理解するのは不可能だと思うけど。
でも、窓の外は気になっていた。一体どうなっているのか。
私は、ベッドから降りるとしっかりと五人の不法侵入者に注意しながら窓の外を見た。
「っえ………?」
それは、目を疑う光景だった。
「………何これ」
目の前に広がるのは、果てしない荒れ地だった。
いや、ただの荒れ地ではない。
所々、間欠泉のような所からマグマのような…………いや、マグマが噴き出ている。
そして、その傍らには、十メートルはゆうに超えているであろう巨人がいた。
そして、不思議な事に空が全面的に真っ赤だった。なのに夕日も雲も見当たらない。
「地獄です」