第9章 各々 ナギリさん
「ナギリさん眠いですか?客室に案内しますよ」
うつらうつら···
「今、寝たら楽しい時間が終わってしまうと···また1人で···」
『·····』
ふわっ
「ナギリさん」
「··あっ」
ぎゅ
「これは夢ではありません。貴方の帰る家はここにありますよ」
「···彩華··ジョン」
キュッ
「ヌーヌ」
「···少し、夢を見る」
✿✿✿
ふっ···
「··やわらかい··あたたかい」
目を覚ますと見慣れた冷たい床やマットではなく
(布団か···!?)
目を覚まし隣を見ると
「すぅ····すぅ···」
「ヌプー··」
(ジョン···彩華··)
初めて会った時は
弱い人間
治療をしてくれる時は
懸命に助ける
名前を呼んでくれた時
「··幸せだ」