第24章 告げる
「大丈夫ですよ。いくらあの二人でも、高専を全て破壊なんてことはさすがにしないでしょうから」
「えっ、怖いこと言わないで」
そんなことを言われたら、本当に高専全てを破壊してしまわないか心配になる。
それに何より…二人の関係性が変わってしまわないか…そんな不安で胸の奥がどうにかなってしまいそうだった。
「エナちゃん、心配いらないよ。だってあの二人は親友なんだから」
私の背中をグイッと押した雄ちゃんが優しい笑顔を向ける。
うん、そうだ。二人は親友だ。私が思っているよりもずっと、あの二人は互いを信頼している。だからきっと、何かが起きるなんてことはないはずだ。そうだよ…
七ちゃんに手を引かれ、雄ちゃんに背を押されながらも二人の方へと振り返れば、そこには無言のまま見つめ合っている傑先輩と五条先輩の姿。
多分、今私にできることは何もない。だからこそ、七ちゃんと雄ちゃんもこうして言っているはずだ。
信じるしか無い。
大丈夫だと言った傑先輩を。
二人のことを…
私はただ、待つしかないんだ。