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【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第22章 分からない






「はい、また俺の勝ちー」




背中にビリビリと電撃のような痛みが走る。




「…うぅ、痛い」




「もっと受け身ちゃんと取れよ、怪我すんぞ」





まるで容赦のない吹っ飛ばし方、そしてその眩しいばかりの口角が上がった笑顔に私は泣きたくなった。




自分の髪は乱れてとんでもないことになっているし、身体はボロボロだ。まぁ五条先輩の付けてくれる修行がそう簡単でないことなどもちろん分かってはいた。だってあの天上天下唯我独尊の五条悟だ。女相手だろうが、後輩相手だろうが手加減は無しだ。




いや、手加減はしているだろうが容赦はない。




「ふはっ、お前デコ赤くなってんぞ」




そう言ってケラケラと笑い私の前へとしゃがみ込んだ五条先輩は、私の赤くなった額をこすり楽しそうに笑顔を見せた。




こんなにも近くでこの人の笑顔を見たのは久しぶりだ。




それに思わず心の奥底がズクンと音を立て私は胸元のジャージをぎゅっと握りしめた。




躊躇うことなく触れてくる指先に胸がつまる。




容赦無いその眩しい笑顔を私に向けないでくれ、苦しくなるから。




そう思っているはずなのに…笑顔を向けてくれることも、触れてくれることも、どこか嬉しいと思っている自分が惨めで情けない。




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