• テキストサイズ

【呪術廻戦】抱きしめた分だけ君を想う

第13章 その笑顔





何故女を抱くのか


ただ行き場のない熱を吐き出したかったからだろ。





そうだろ、そのはずだろう。


それ以上でもそれ以下でも無かったはずだ。





それなのに…コイツといると調子が狂う。


苛立って、余裕すら無くなって、腹が立つ。





コイツを抱くたびに感じるその違和感が、自身を掻き乱す…何度も同じ相手を抱かないと決めていたはずなのに、手放せないのは何故なのか。




そんな心のモヤを、まるで掻き消すかのように他の女を何度も抱いた。



意味のない行為だ、ただ欲を吐き出す為だけの。





それなのにどうして…





「ん…ごじょ、せんぱい…?」




寝ぼけたようなゆるりとした声が俺の名前を呼ぶ。薄らと開かれた瞳は、目尻を下げるようにして穏やかな笑みを作ると




「ふふ、おはよぉ」




まるで陽だまりのような純粋な笑顔。



俺にこんな純粋な笑顔を向けて来る人間など、未だかつていただろうか。





まるで自分が自分じゃ無いようでイライラする。




それなのに、今はこの温もりに触れていたい。





ただ単純に





コイツの笑顔を




見ていたい。








「…ーエナ」






掠れるような声が響いた。




自分らしく無い、そんな優しい声だ。










/ 647ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp