第8章 気まぐれ
「……ッア…」
甲高い声が上がる。
恥ずかしいくらいの声量に、ヤバイと思いながらも抑えることなんて出来なくて…
「…んっ…アッ…きもち…きもちぃ…ごじょせんぱ…ッ」
唇を噛み締めるようにして少しでも声量を落とそうとした私を、五条先輩の長い指がそれを阻止する。
「傑いねェから、デカい声出しても平気」
「…っでも」
「なら塞いでやるよ」
軽く引かれた顎が上を向く。大きく開いた口の端からは唾液が零れ落ち、そしてそんなこと気にもとめることなく五条先輩は深く唇を塞ぐと、そのまま私の声を抑えるようにして舌を喉の奥までねじ込んだ。
「…ふっ…ん…っ」
上手く唾液を飲み込めない。嚥下するよりも早く、五条先輩が私の舌を絡とり、そして麻痺するほどに舌を巧みに動かすからだ。
それでも下半身の繋がった部分は口内とは裏腹に、ゆっくりと…まるで焦らすみたいにゆらゆらと腰が動くだけ。
それがもどかしくも気持ち良くて、余計に頭が麻痺して馬鹿になりそうだった。
浅い所を何度もトントンと軽いノックを打ち付けるような腰使いに、私の秘部は嘘みたいに甘い蜜が溢れ出しその動きを早めてくれと言わんばかりにグチュグチュと音を鳴らす。