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MapleProject〜Happybirthday〜

第17章 山吹玲於誕生日特別ss



『ここが玲於さんの実家の串カツ屋さんですか?』
「そう!事務所入るまではここで母さんの手伝いしてたんだぜ?」
『へぇ…凄いですね!』
「そういえばMaple Projectに入ったきっかけも、この串カツ屋が始まりだったな…」
『えっ、そうなんですか?確かに聞いたこと無かったです…せっかくだし、話聞きたいです!』
「そうか?じゃあ…」

元々、アイドルというものにそれほど関心はなかった。
でも、親父が元ラッパーだったということもあってラップに関しては興味があり、独学で練習はしてた。
親父は俺が産まれる前に事故で亡くなってしまったから会ったことも直接ラップを教わることも出来なかったんだけどさ…
実家の串カツ屋は母さんと母さんの友達2人でやってたんだ。けど2人じゃ忙しい時とか回らなかったから俺も小学生から手伝うようになって、それからずっと手伝ってた。
学校が終わったら直帰して店を手伝う。
ずっとその生活をしてたから、部活とか学校の友達と遊んだりして来なかった。
いつかはこの串カツ屋を継ぐんだろうとも思っていた。

そんなことをずっと考えながら高校も卒業し、大学にはもちろん行かずにそのまま就職…って言っていいのかな、串カツ屋でちゃんと働くようになった。
それも1年が経ちそうになった時、1人のお客様に声をかけられた。

『ねぇ、あなた名前なんて言うの?』
「あ、山吹玲於って言います」
『山吹…やっぱり…』
「…?どうかされましたか?」
『ねぇ、あなたの父親って…』

驚いた。そのお客様は俺の父親の名前を知っていた。
しかも、ラッパーとしての父親だった。

「えっ!?なんで知ってるんですか?」
『私、昔からずっと音楽に関しての仕事をしてきたの。で、まだデビューして間もない頃にすごいラッパーが居るっていう噂があってね。で、仕事で一緒になることがあってそこから可愛がって貰ってたことがあるのよ。結婚して引退してすぐ、事故で亡くなってしまって、お子さんの顔を見れなかったって聞いてたけど…ほんとに似てるわね…』
「そうだったんですね…俺の産まれる前に死んじゃったので、ほとんど親父のことを知らなくて…ラッパーってことは母から聞いてたんですけど…」
『あなたは?それを聞いてラップとかに興味なかったの?』
「いや、そんなことはないです。普通に興味湧いたんで、たまに練習とかしてますよ。」
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