MapleProject〜Happybirthday〜
第15章 春風梓誕生日特別ss
アイドル……ピアノとは違う形で音楽に触れられる。
いいかもしれない。
――
ある日突然生き生きとした顔の神楽くんが話があると言ってきた。
最初は嫌なことがよぎったが生き生きとしているから違うのは一瞬でわかった。
『亮大、待たせたね。それでなんだった?』
「社長!紹介したい人がいるんです!」
彼女か?と思ったがどうやら違うようで……携帯を取り出し動画を社長に見せている。
「……ピアノもできるし歌も上手いんだ。ダンスも俺が付き合わせちゃうからできるようになってる。俺どうしてもこいつと一緒に仕事がしたい」
『なるほど……彼女の紹介かと思ったじゃん!まったく……。これだけではさすがに判断はできないけど、本人の意思はどうなの?』
「いろんな形で音楽に触れたいって言ってたからアイドル興味無いか?って聞きました。」
『それで?』
「やってみたいって」
『わかった。じゃあその彼にこの日にオーディションがあるから来てと渡してくれない?』
社長は日付、時間、持ち物や必要事項の書いてある紙を渡す。
「ありがとうございます!当日迷子にならないようここまで一緒に来ると思うので驚かないでくださいね!」
『……方向音痴……って事?』
「そうなんです。気づいたら逆方向にいて……不思議なんですけど」
『相当ね。逆にとても気になる……』
こうして彼もオーディションをすることになった。名前は春風梓と言うらしい。
確かに動画を見る限り申し分ない。
少し気になることがあるが俺が気になったんだ……社長も気づいてるがオーディションの時に聞くのだろう。
そしてオーディション当日。
『春風梓さん。よろしくお願いします。』
「よろしくお願いします!」
『早速質問失礼するわね。MapleProjectを希望した理由は?』
「きっかけは友達の誘いでした。オーディションを受かったって報告してくれてからとても生き生きしてるんです。友達をこんなに生き生きと楽しそうにする事務所がどんな所なのか、誘ってくるほどだからとても興味が湧いたのが理由です。」
『芸能界は結構厳しいのだけど……いろいろ大変なことがあるのも理解出来ていそうね』
「はい……ピアノを習ってることからピアニストになることも視野に入れてたので。」