MapleProject〜Happybirthday〜
第10章 松永朝陽誕生日特別ss
『もちろん。 ..でも、簡単じゃないよ? 今の実力じゃ、 デビューには到底及ばない。 努力することが、 頑張ることがわからないって言ってたけど、 頑張れる?』
「...... まだ、 正直頑張るってことはわからないです。 でも、 絶対成長してみせます!!」
『そう。......MapleProjectへようこそ、朝陽!』
そうして松永くんはMapleProject所属となった。
そして現在
「おい松永。 そこはこうだろう」
「えー!でもこっちの方がかっこよくない!?」
「全体のバランスってものがあるだろう」
「だったら僕がこう動けばおかしくないよね?」
「おおー! さっすがあっきー! わかってるぅ!」
「吉岡。松永を甘やかすな」
「ずいぶん楽しそうね?』
「あ、 社長! お疲れ様です!」
『お疲れ様。 ダンスの練習?』
「はい。でも松永が元の振り付けと全然違う動きをしてて…..」
『でも朝陽と晃の動き、 かっこよかったよ?』
「え!?」
「でしょでしょー!?ほら社長だってこう言ってくれたんだし、これで決まりね!」
「はぁ…」
『朝陽、 ちょっといい?』
「なんですか?」
『あの時どうしてアイドルになりたいと思ったの? 私が努力を認めたから...じゃないよね?』
「正直、それはゼロかと言われれば嘘にはなります。
でもあの時、練習を見学しててオレ思ったんです。
アイドルには完璧を求められる。
努力した分のそのままのオレが他人にとやかく言われることなく輝ける場所だって!だからこそ、アイドルになりたいって!」
『そっか。 今、 楽しい?』
「はい!!」
『社長! いた! なにレッスンの邪魔してるんですか! 行きますよ!!』
『えぇー!! わかったわよ…。 じゃ、 3人とも頑張って!』
ぶつぶつ文句をいいながらも、 社長はレッスン室を出ていった。
あれから松永くんは、宣言通りみるみる成長していった。 そして今、IN:DIV の一員として立派にアイドルをしている。
あの時の松永くんはどこか諦めた瞳をしていた。
今でも努力することはわからないそう。 でもあの時とは違う。
なぜなら希望に満ちあふれた瞳をしているから。
この瞳の輝きは、もう二度と失くさせない。
END