第3章 再会 久々の友達
私が考えていると、ダラーズについての解説が終わったらしく、正臣くんが私の顔をのぞき込んでいた。
『どうしたの、正臣くん』
正臣「何考えてるのかなって思ってよ。」
『あー、うん、なんでもないから気にしないで』
そう言って笑みを見せるが今の顔はぎこちなかった気がする。何を言っても話さないだろうと思ってか何か知らないが、正臣くんは「そうか」っと言ってまた歩き始めた。
しばらく歩いていると、道路の方から動物の鳴き声のようなものが聞こえてきた。もう一度聞き逃さないように耳をすませると今度はエンジン音だった。
正臣「帝人と涼は運がいいなぁ」
帝人「『えっ』」
正臣「だってよ、初めて東京にきたその日に、都市伝説を目の前で見られるなんてなぁ」
と正臣くんの顔を見ると目が輝いていた。
そう言えば帝人くんは昔からこんな非日常が好きだった。
そんなことを思っているとそのエンジン音の主が現れた。
それはヘッドライトの無い漆黒のバイクで人が影のようでそれが車の間を縫って 私たちの前を音もなく走り去っていった。
『!?』凄い・・・
そのバイクを見送ったあと私と正臣くんは帝人くんを見た。すると、帝人くんの身体は全身が小刻みに震えている。